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戯れの恋
アナタは私のことを『 愛してる 』
と言ってくれるけれど…
きっとアナタはボヤけたフィルター越しに
私のことを愛しているの。
何故かって…
『 2人の恋は一時の戯れ 』だから。
アナタは戯れの愛が欲しいのね。
でも〝 誰でもいい 〟と言いながら
〝たった一人 〟を求めてる。
そんなアナタに求められ
受け入れられることで得られる幸福感。
不特定多数の〝 好きな人 〟
愛してくれない〝 何処かの誰か 〟
一瞬の幸福感と満足感を
繰り返し求め合えば
ドロドロした劣情と嫌悪が
脳内で赤くて甘い麻薬をつくり出す。
振り払っても…振り払っても
離れることの出来ない中毒症状と
自己嫌悪の狭間で蝕まれていくのは
本当に求め続けていた幸せへの希望。
心の奥の柔らかい部分に
麻薬が染み渡り毒で腐食していくにつれ
愛を求めていたはずなのに…と
零れ落ちた涙は誰にも理解して
貰えないまま冷えた風にかき消される。
アナタの乾いた心に私が潤いを与えれば
次の潤いを求めてすぐに乾いていく。
それでも今だけは
アナタの『 孤独と言う毒 』を
私が全部、取り除いて、噛み砕いてあげる。
密やかにアナタと2人、部屋の中で絡み合って。
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